ピープルアナリティクスとは?戦略人事への取組み

眠る社内データを分析して活用しよう。

ピープルアナリティクスとは、企業があらゆる客観的なデータをもとに、人事業務(採用、教育、評価)を効率化させるためのものを指します。客観的データというのは、基本情報(性別、年齢)や人事情報(面接結果、評価結果、勤怠情報、アンケート結果)などが用いられています。
こういったデータをもとに、「人材の採用、配属先の決定」「従業員業績・満足度をチェック」
「人材育成や離職の予防・改善」を図ります。

 

ピープルアナリティクスを活用すれば、会社の生産性の向上が期待できます。

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目 次

    ピープルアナリティクスの得られる効果と期待

    客観的に人材採用ができる

    これまでの採用活動では、面接の場で人材を見極めるのが一般的でした。
    そのため、どうしてこの人材を採用するのか?という問いに

    「いい感じの人そうだから」
    「これだけ経歴があるから、何となく社内にいると役に立ちそう」

     

    といった人の感覚によって採用を決めるしか方法がありませんでした。
    この人となら上手くやっていけそう!という肌感覚も、もちろん大切です。
    しかし、そういった主観的な採用方法が原因で、会社の求める人物像と採用をした社員のミスマッチを起こす可能性は大いにあります。

     

    ~人材採用の際の活用方法は?~
    《1》企業内でパフォーマンスの高い人材の分析を行う
    《2》その人材のデータを把握し、その情報をもとに必要な人材の採用基準を設ける
    《3》応募者のデータを参照し、どのくらいのパフォーマンスをあげられるかを判断

    履歴書に書かれている学歴や職歴、実際に話してみた雰囲気など面接の場でしか分からなかった人材の中身を、データで読み取ることができるようになるため、客観的に判断でき、効率的に採用活動が行えます。
    人事社員の偏った判断が原因で、自社に合わない人を採用してしまうという失敗を減らすことができます。

     

    配属先の決定を適切に行える

    採用を決めた社員を、どの部署に配属すればよいか?どの上司の元で仕事をしてもらったら、成果を発揮しやすいか?といった悩みも、ピープルアナリティクスであれば解決できます。

    ~配属先を決めるための活用方法~
    《1》専門性やスキル・資格を考慮
    《2》採用時に性格適性検査を行い、そのデータを判断材料にする
    《3》既存社員のデータを確認し、相性を考慮して配属先を決定

    新入社員の配属だけでなく、人材の異動を検討する際にも役立ちます。

     

    社員育成が効率的にできる

    社員のデータの分析することで、将来的に活躍できそうな人材を早めに把握することができます。
    入社して数年後に、この社員にはこんな能力があった。と時間をかけてしか気づけなかったことが、データを用いればより早く知ることができるということです。

    また、社員の仕事に対するモチベーションアップも期待できます。
    社内トレーニング制度の利用率や、1つ1つのタスク達成をスコアするなど、社員のアクションパフォーマンスを数値化することで、社員の成長が可視化されるからです。

    上司の主観的な評価ではなく、データによる評価のほうが、社員も会社側も納得しやすいでしょう。
    より効率的な人材育成を行えます。

     

    離職率の低下が期待できる

    人材の売り手市場が続いており、優秀な社員をいかに会社に引き留めておくかは、会社を成長させるために重要な課題です。

    ピープルアナリティクス使えば、過去の退職者情報を分析し、社員の離職原因をデータで判明させることができます。
    その原因さえ分かれば、事前に退職を防ぐための対策を立てられます。

     

    (例)社員がある部署に配属されると、離職する人が増えてしまうというデータ結果の場合
    《対策1》配属先にいる社員と相性がよい従業員を配属させる
    《対策2》どんな仕事をするのかを事前にしっかり説明する
    《対策3》配属前に社員の意志を確認した上で、配属を決定する
    《対策4》配属後のフォロー体制を整える

     

    このように、退職を防ぐための具体的な対策が行えます。
    従業員の数が多い部署の場合は、そういったフォローが難しいので、より高度な人材システムの導入もおすすめです。
    勤務状態や面談記録内容などの分析を通じて、退職のリスクがある従業員を予測するシステムなども登場しています。

    ピープルアナリティクスの実行手順:データ収集

    社内に蓄積された4つのデータを集める
    分析を実行するためには、これらのデータを集める必要があります。データの種類は大きく分けて4つです。

     

    人事データ

    人事データとは、従業員の入社から現在までに関するすべてのデータを指します。
    ・基本情報(社員の氏名、住所、年齢、性別といった個人情報全般)
    ・勤怠情報(出勤・退勤時刻、労働時間、出勤・欠勤日数、早退・遅刻の回数、有給日数など)
    ・人事考課データ(従業員の業務に対する貢献度、職務のパフォーマンス度合いや業績、能力の評価結果)
    ピープルアナリティクスの基本データであり、最も重要な部分と言えます。

     

    デジタルデータ

    従業員のパソコンや携帯電話の使用記録データのことです。
    ・インターネットの利用履歴
    ・メールの送受信履歴
    ・電話でのコミュニケーション状況

    こういったデータを分析して活用したい場合は、その目的を従業員にしっかり説明しておきましょう。
    無断で検索したり、強制的に行ってしまうと、従業員との信頼関係が壊れてしまう可能性があります。
    介入をしすぎて、個人のプライバシーを侵害しないように注意しましょう。

     

    施設データ

    オフィス内や施設の使用状況に関するデータ全般を言います。
    ・電気・水道の使用量や料金
    ・エレベーターの稼働率
    ・会議室の利用データ
    労働環境をより良くするために、利用されるデータです。
    会議室の利用時間から、コミュニケーションとパフォーマンスの相関関係を分析することで、無駄を削減し、業務効率の向上につなげられたケースも見られます。

     

    行動データ

    社員ひとりひとりの位置情報や健康状態、メンタル分析などを指します。
    ウェアラブル端末(腕などに着用できるコンピュータなど)を利用して、計測する企業が多いです。
    企業や仕事内容などの感情に関するデータ、心拍数や体温の計測によって、従業員のモチベーション管理やメンタル管理に役立っているといわれています。

    ピープルアナリティクスの実行手順:データ分析と活用

    収集したデータを分析し、目的に合わせて活用
    上記の必要なデータを収集したら、そのデータをもとに分析をしましょう。
    ピープルアナリティクスでは、4つの分析方法を活用します。

     

    記述的分析

    社内で「過去に起こったこと」を明らかにする分析にあたります。
    過去のデータをまとめて可視化し、状況を把握して、今後の対策の検討材料にします。
    具体例をあげると、離職した人材のタイプを明らかにすることで、離職者の傾向が分かります。
    今後は、そういった人材を採用しない、もしくはそういった人材が働きやすい環境を整えるといった、過去の失敗を次に活かすことで、人事業務の効率をアップさせることが期待できます。

     

    診断的分析

    記述的分析によって明らかになったデータをもとに、その原因を突き止める分析です。
    「現状の問題点」と「蓄積された他のデータ」の関係性を見つけ出し、なぜ起きたのか?を分析していきましょう。
    例えば、離職率が年々高くなっていることが明らかになった場合、その要因を明らかにして改善策を考えることができます。

     

    予測的分析

    会社に将来的に起こるリスクを予測する分析のことです。
    人工知能がデータから導き出した予測から、将来的に起こりうるリスクを事前に察知できます。
    たとえば、どのような人材が離職する可能性が高いのか?を発見することで、その人材に対して会社で働き続けてもらえるような対策を打つことができます。

     

    処方的分析

    記述的分析、診断的分析、予測的分析の分析データを組み合わせて、企業がどのような行動をするべきか?を予測します。
    たとえば、離職する可能性が高い人材に対して、いつ?具体的にどのような行動を起こせばよいのか?を示してくれる分析のことです。
    この4つの分析方法を状況によって組み合わせることによって、人事業務の問題点を把握し、さまざまな意思決定を効率よく行うことができるようになります。

    さいごに

    今回は、ピープルアナリティクスについて解説させていただきました。
    ピープルアナリティクスを人事業務の効率化に活かしたいのであれば、データを得ただけで満足していてはいけません。


    明らかになったデータをもとに、制度や考え方の見直しをして、会社の課題を1つずつ解決する努力も忘れないようにしましょう。

    (ただいまページ準備中)