【選考辞退の原因とは】今すぐ選考フローの改善や採用体制の見直しをして歩留まりを抑制
辞退はなぜ起こるのか。
辞退に対する課題意識が浮き彫りになってから久しいですが、実際には辞退率を抑止できている企業とそうでない企業では、採用活動の中身が大きく異なっていることをご存知でしょうか?
・採用活動がうまくいっていない
・計画から遅れている
・他社に決めますの内定辞退
「今回は採用がうまくいった」「今回は不発だった」「今回は辞退が目立っていた」などの声をよく聞きます。
ですが、そもそも何故うまくいく時とそうでない時があるのでしょうか?
運でしょうか?タイミングでしょうか?景気でしょうか?それとも市況の問題でしょうか?
当然これらも大きく関係はしますが、それだけで片付けてしまっていては根本的な解決にはつながりません。
予算を決めて採用活動を行うからには、博打のような採用活動を続けていは経営として得策ではありませんよね。
ですのできちんと課題となる箇所を炙り出し、直ちに改善を図りましょう。
もちろん下記でご紹介する内容で全ての改善が図れるわけではありませんが、まず目を向けるポイントとして要点をご紹介していきます。
table of contents
目 次
採用活動前の準備を怠らない
採用活動が失敗する理由は、いくつもの要因が考えられます。
毎年活動を行う上で、PDCAを回して社内で共有、改善を検討していても、思うような成果が上がらずに困っている企業も多くあります。
この記事では、その前提を踏まえた上で、見直しポイントを発見できるようにご紹介していきます。
◇採用計画
まず前提として、経営計画に基づき採用計画を策定しましょう。
どのくらいの予算で何人採用する必要があるのか。どういったポジションのどのレベルの人材を採用してどこに配置するのか。
スタートアップならまだしも、中小企業やベンチャー企業でも採用計画すら存在しない完全な「匙加減で」採用活動を行なっている企業があります。
現場から「こういった人が欲しい」と要望を受けたから採用活動をするなど、よくある話です。
ですが、採用計画がないので予算はその都度どんぶり勘定。業者からの提案を集め相見積もりをして業者選定を行い、採用できた!できなかった!といった具合で行き当たりばったりでは完全に運任せとなってしまいます。
一方で採用計画をきちんと策定している企業でも、採用計画の進捗管理を行わず、マネジメント放棄している形だけ計画の企業も多々見受けられます。
これは計画が存在していないのと同義。
年間消化する求人サイトのチケットを期首に購入して、それを求職者が動きそうな時期に消化して採用活動を行うなどの動き方が多いです。
この場合は、市況感が悪かったといった振り返りで原因究明や分析をせずに、都合のつきそうな理由を添えて片付けてしまったりしているケースが多く、PDCAが回っていない状況が伺えます。
採用計画は年間の進捗状況をきちんと管理し、状況に応じたリカバリーなどを含めて進めていく必要がありますので、方針や戦略、予算、スケジュールに従い、データをしっかりと分析してPDCAを回していくことが大切です。
◇採用要件
こちらも前述の採用計画と連動します。採用計画を立てる上で「どんな人を採用する必要があるのか」設計しておく必要があります。
多くの企業では、採用ターゲットの要件を超細部まで設計しているところは少なく割とアバウトな感じです。
アバウトなので「当社に適しているのか、そうでないのか」の根拠はなく「何となく合いそう」の域を越えません。
これでは運が良ければ「マッチした良い人材の採用」ですが「マッチしなかった」ということも生じやすいです。
マッチしないということは早期退職の大きな原因になります。結果的に再度予算をかけて同ポストの採用活動を行う手間や無駄なコストが発生してしまいます。
そのためにターゲットペルソナの設計をしっかりと行い、採用計画に的確に盛り込むようにしましょう。
◇予算の使途
採用計画を作る(採用活動を行う)上で、予算計画もしっかり行なっていく必要があります。
ロスを防ぐ、ロスを減らすことはとても重要ですが、逆に予算が少なすぎても思うような採用活動はできません。
まず予算問題については、経営層と現場側(採用担当)でしっかりと採用に関わる情報の認識一致を行ってください。
例えば予算がパーパーで役員層が採用に主体的でない企業では、「予算はたくさんあるから多少コケても大丈夫」といったパフォーマンスの低下になってしまっていたり、「本当は〇〇を導入した採用活動をしたいのに、予算が少なさすぎて実施出来ない」といったパフォーマンス制限が発生します。
もちろん、予算は湧き出る湯水の如く使えるわけではありませんので、限られた予算の中で行う事が前提ですが、前述のような認識一致では
・現在の採用市況感
・採用対象者の平均採用単価
・採用対象職種の求人倍率
・経験値に対する賃金の相場感
・賃金交渉の余地など
前提をすり合わせた上で予算編成しておかないと、せっかく予算をかけた採用活動も、失敗率や機会損失のリスクを大きく上げることになります。
◇求人の実施
ターゲットに対して求人情報の発信するなら
・どんな情報を
・いつのタイミングで
・どこに
・どのように投げるのか
これらは計画に基づいて戦略的に実施していきましょう。
当てずっぽのようなメディア選定ではいけません。
特に採用予定職種がニッチな場合や、特別な国家資格を必要とする場合などは、対象者がごくわずかというケースも多くあります。
技術職や専門職などで一定以上の経験年数を求める場合でも、同様に対象者が絞られてきてしまうのですが、対象者に対して求人情報が届かなくては意味がないのは言うまでもありません。
ところが、サービスを提案に来る業者は
「このサービスなら…」「この媒体なら…」
と情報を持ちかけてくるため、情報処理に対する整合性が測りづらく偏りが生じます。
過去にそのサービスや媒体で採用成功の実績があっても、当時と現在では大きく状況変化している可能性があるので、「過去に上手くいったから」は全くあてにならない訳です。
提案を受けることは情報収集につながりますので前向きに実施すべきと思いますが、しっかりとリサーチし精査した上で次年度以降の計画で利用するかしないかの検討を行なっていくことが大切です。
選考結果に直結するワークエンゲージメント
見直すべきは採用前の準備だけではありません。
選考面では実務的なことが主になってきますが、コア業務、ノンコア業務それぞれに改善すべき点はあります。事前準備は万端でも、それを回していくための「マインド」「スキル」「仕組みや体制」が必要です。
◇選考フロー
選考フローを見直していない企業は、歩留まりを分析しましょう。
歩留まりとは、最初のエントリー(母集団)から、各ステップで何名(%)減り、最終的に何名(%)残ったかを表すものです。
(求人広告掲載の一例)
求人PV・・・3000PV
応募数・・・50名(応募率1.67%)
書類選考通過数・・・20名(通過率40%)
一次面接数・・・14名(実施率70%)→6名が辞退or飛んだ
一次面接通過数・・・10名(通過率71.4%)
二次面接数・・・9名(実施率90%)→1名が辞退or飛んだ
二次面接通過数(内定数)・・・4名(通過率44%)
内定承諾数・・・2名(承諾率50%)→2名が辞退or飛んだ
過去の求人〜選考したものを改めて数値化してみて、どこに改善要素があるかを確認してみてください。
また、単純に数字だけで睨めっこするのではなく中身がどのようになっているか(連絡のスピードや内容、対応など)も分析する必要があります。
◇対応や面接
以前にWEB面接について記事を書いていますので、こちらも併せて確認してみてください。この記事では小手先の面接テクニックなどの内容は書きません。小手先のテクニックを駆使しても結果は変わらないからです。
もちろん、必要ないとは言いませんし身につけるに越したことはないのですが、それより重要なのは採用担当者のマインドセットです。採用担当は会社の窓口を担うのですから、誰よりも会社を理解し、誰よりもアツく語れなくてはなりません。
採用担当者自身のワークエンゲージメントが低いと感じる場合はその部分も含めて改善が必要です。
人材を「口説き落とすポジション」にある人のワークエンゲージメントが低くては問題なのは言うまでもありません。
自社が欲しい!と考えている人材は、競合他社も欲しい人材であることが多いです。まさに争奪戦。
エンゲージメントに関する記事・・・
・これからの人事に必要!従業員エンゲージメント
・業績UPに必須のエンゲージメントマネジメント
小手先テクニックや面接のスキル云々の前に、まずはエンゲージメントの改善やマインドセットに取り組み、候補者への対応スキルを向上させていくことが大切です。
内定から入社までの期間カバー
せっかく内定を出したのに
「まだ選考していただいている企業がありますので、待ってください。」
「2週間ほどお時間をいただけないでしょうか?」
「せっかく内定をいただきましたが、今回は他社にお世話になることに決めました」
このパターンはよくありますよね、仕方のないことですががっかりするのもわかります。
ここまでにお話してきた準備段階の話や実行段階の話も、最終的には内定承諾率を高めることが目的です。
その為のチェック項目だった訳ですが、まだ気を抜くわけにはいきません。
◇内定までのスピード感
意図ある長期フローであればまだしも、ただの無駄なステップだったり、ステップ間の期間が空いたりなどは候補者の意識が低下する可能性があるだけでなく、他社からの横槍を許してしまいます。
レスポンスのスピードは重要で、特に最終面接から内定を通知するまでの期間は3日程度。最低でも1週間以内程度にしておきましょう。
よくある話ですが、最終判断をする人が社長である場合、その社長があまり社内にいなくて最終面接日を組みにくいとか、面接後の内定の可否確認をしたいけれど、社長が捕まりづらくで中々確認できず、候補者への通知が遅れてしまうなどです。
これは採用担当ではなく社長が考えるべき課題です。
採用担当への協力体制を作らない限り改善のしようがありません。
こうしたことになれば良い人材の採用機会を失うばかりか、採用担当のエンゲージメントを著しく下げることにつながり危険です。
それでいて、いい人材が採れていないことを責めてしまっているようでは救いようがありませんので、初めから選考に出張らずに済む方法やフローを検討することをお勧めします。
◇入社前フォロー
求職者が内定承諾をし、入社日まで間が空くことが多い最近の転職では、入社日を迎えるまでのフォローにも配慮することをおすすめします。
新卒では当たり前化しているフォローですが、昨今では中途採用においても有効です。
工数のかかることですし、社会人経験のある人間に対して、そこまでする必要があるのか?とも思いますが、転職先は新たな場所や環境、知らないメンバー、慣れない仕事が前提になるので、誰もが転職先への期待と不安を感じるものです。
そうした不安を事前に払拭していくことで、入社時から良い精神状態を作ってあげることは、働き手としては嬉しいことです。
定期的なコンタクトを取っていくことで自分のことを忘れられていそうな不安や、選考中は細やかに連絡をくれたけど…といった不信感も湧きにくく、気にかけてくれている実感が湧雲のです。
社内報の一部を特別に制限をかけて公開したり、入社前の教育プログラムをオンラインで実施したり、配属先のメンバーと顔合わせのお茶会をしたりなど、あらゆる企画を実施して交流を図ることが効果的です。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は採用に苦戦している場合に、改善点を見つけていただくためのチェック項目をご紹介しました。
もちろん企業ごとにケースが異なるのですが、社内で対策を行なう上でこの辺りから改善を行なっていくといいと思います。
それでも改善に行き詰まる場合や、改善のしようがないなどの課題をお抱えの場合は、当社に一度ご相談いただければと思いますので、お気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。
More Blog
同じカテゴリの記事。