ITエンジニアの採用が難しい理由とは?ITエンジニア採用に必要な基礎知識と事前準備

経験者を採用したい!その前に必要なことを把握しよう。

エンジニアの採用ニーズは高まり、止まることを知りません。一時の未経験者を採用して社内で育成していく流れから一転、実務経験3年以上必須といったニーズが大半を占めるようになっています。いい人材を採用したいのは本音でしょう。

 

ところがそれは、どの他社も同じことを思っています。そうした中で、どのように自社を選んでもらうのか。というのが思いのほか難儀です。だから、まず採用側の意識を変えてみましょう。
どこの企業も新卒採用や中途採用を問わず、エンジニアを欲しています。エンジニアを採用したい。けれど思うように採用できない。というエンジニア採用難が続いています。

 

求人広告を掲載しても応募者が集まらない…。
どうやってアプローチすればよいのか?分からない…。
転職エージェントに紹介依頼しているが、いい人材がこない…。

など、エンジニア採用に課題を感じている企業が多いですよね。そこで今回は、ITエンジニア採用で知っておきたい基礎知識について、前編と後編に分けてお話をさせていただきます。

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目 次

    ITエンジニアの採用が難しい理由

    ITエンジニアの採用が難しい理由はいくつもあります。経済状況や人材の問題、社内の問題など様々です。とはいえ指を咥えて待っているわけにもいきませんので、まずは今一度現状を把握して手を打っていきましょう。

     

    ❶ITエンジニアの数が足りなすぎる

    1ヶ月あたりのITエンジニア求人倍率は、エリアによって前後しますがおおよそ各エリアで9〜11倍となっています。(2022年9月時点 )

    求人倍率9〜11倍ということは、9〜11件のITエンジニア求人募集に対して、採用候補者が1人しかいない。ということです。1人のITエンジニアを多くの企業が取り合っており、求職者が圧倒的に足りていません。

     

    採用活動においてほかの職種と比べるとITエンジニアはかなり難関であるということが、読み取れますね。優秀な人材を求めるほど競争で戦い、勝っていかないといけないですし、ITエンジニアが入社したい!と思えない、魅力のない企業に関しては、採用すら難しい現状です。

     

     

    ❷IT人材が辞めない

    ITエンジニア自身が現状の会社に満足しており、転職をあまり考えていない。または転職を考えていても検討温度がまだ低く、転職市場に出回っていない場合もこれに含みます。いずれにしても現職を辞める気がまだないということです。

    ❶と繋がってくる部分になりますが、どこの企業もITエンジニアが不足しており、増員するために採用活動を行っているのはもちろんのこと、まずその前に、自社のITエンジニアだけは絶対に手放したくない!と考えています。

     

    もし自社エンジニアが離職をしてしまったら、また新しいITエンジニアを採用しないといけなくなり、そのハードルが高いということが分かっているからです。
    他社へ流出しないように、ITエンジニアが満足できる環境(給与・休日・待遇など)を整えて、囲い込んでいるため、転職市場にITエンジニアが出てこない。
    結果、求職者数自体も少なくなるため、ただでさえIT人材が不足している中で、転職意欲を持った少ない求職者を企業間で取り合うため、競争の激化に伴い採用コストが多くかかってしまうということになります。

     

    ❸求める人材のレベルが高くなっている

    IT化が進み、企業がつくる商品レベルが上がっているというのもあって、その分ITエンジニアにも、求められるスキルが高まってしまっている。というのも、採用活動が上手く進められない理由の1つです。

    また、企業で働くということは、ITエンジニアとしてのスキルだけではなく、ビジネススキルも求められるので、さらに採用のハードルも大きくなります。
    技術力があって、コミュニケーションスキルもあって、企業に貢献してくれる。という人材を採用するためは

    ●採用候補者が少ない市場から人材を探すこと
    ●人材に自社を知ってもらうこと
    ●その人材が自社で働きたい!という気持ちになってもらうこと

    この3つを、達成しなければなりません。優秀なITエンジニアを求めるほど、採用ハードルもあがってしまうのです。
    ここまでで読み進めてきて、ITエンジニアの採用がどれだけ難しいのか?を、心の底から理解していただけていると思います。

    では次に、こうした採用難易度が高い市場でもITエンジニアを積極的に採用したいという企業向けに、ITエンジニア採用の成功ポイントについてお話をさせていただきます。

     

    ❹自社の魅力=相手から見ても魅力ではない

    たとえ求職意欲を潜在的に持っている人であっても、必ず自社を選んでくれるわけではありません。現在では「自分らしさ」を重視した転職に重きをおいて活動する人が増えています。それを実現できないともなれば彼らの抱くニーズと企業との間で溝が生じます。

    実現ができなければエントリーはしませんし、無理にその会社を選ぶ理由がありません。対して実現できる会社を見つけた場合にはエントリーをします。

     

    つまり、たとえ自社の魅力(パーパス、カルチャー、環境、仲間など)を発信していても共感が得られなければ次のステップには進まないということです。

    ITエンジニア採用成功のポイント

    ❶ 転職したいというITエンジニアの心を知る

    転職市場にいるITエンジニアが何を求めているのか?を把握していますか?
    「どのくらい給料があれば、満足できるのか?」
    「ITエンジニアとして、どんな仕事をしたいのか?」
    「どんな職場環境で働きたいのか?」など。

    ITエンジニアを採用したいのであれば、転職市場にいるエンジニアの心を知ることからはじめましょう。

     

    ●ITエンジニア系のブログを読む

    ●SNSでエンジニアのアカウントをチェックする

    ●アンケートなどの調査を実施する

    ●社内のITエンジニアにヒアリングする


    ここを把握して、自社の何が売りになるか?どこが他社に勝るのか?といった推しポイントがより客観的になり、強いアピールができます。
    自社でITエンジニアとして働きたい!と思ってもらうためにも、まずは転職市場にいるITエンジニアが求めているものを、知る努力をしましょう。

     

    ❷ 社内エンジニアに採用活動に協力してもらう

    ITエンジニア、またはITエンジニア出身の社員が、採用に関わっていますか?
    これは、❶のITエンジニアの心を知る。と重なる部分になりますが、ITエンジニアのことを知らない社員だけが採用活動を進めていると、なかなかITエンジニアの心を掴むことができません。

     

    ●仕事内容は、具体的にどのようなことをするのか?

    ●ITエンジニアとして、自社で働く魅力はどこにあるのか?

    ●他の企業にはない、メリットは何なのか?

     

    こういった内容は、実際にITエンジニアをしている人、またはITエンジニア経験のある人から、伝えたほうが、求職者に伝わりやすいからです。また、求職者の質問にもリアルに答えることができるので、「この会社はエンジニアを理解しているな」と安心感を与えることもできます。


    ITエンジニア採用活動のクオリティを高めていくためにも、社内エンジニアに採用活動のメンバーをして協力してもらうことオススメします。

     

    例えば…
    ●合同説明会で社内エンジニアにも来てもらう

    ●採用方法を提案してもらう

    ●スカウトメールを書いてもらう

    ●選考・面接に関わってもらう

    ●どんなITエンジニアと仕事がしたいか?を教えてもらう

     

    自社エンジニアとして働くことの「売り」をより伝えられますし、候補者の質問にも、しっかりとした回答ができます。また、どの求人媒体を使うといいか?やITエンジニアしか知らない採用のプラットフォームなど、どのような採用手法を進めていけばいいのか?もITエンジニア目線になれます。

     

    さらに言うと、人事が捉えている人材要件と、ITエンジニアが現場で必要としている人材や一緒に働きたい人材について、認識の不一致が生じていることがあるんですね。そのギャップをできるだけ埋めて、よりよい職場にするという意味でも、自社エンジニアに選考・面接に関わってもらうことを、強くオススメします。

     

    ❸ スピーディーに対応する

    ここでのスピーディーというのは、「自社側からのレスポンスをスピーディーに行う」ということを指します。優秀なエンジニアほど内定が出やすく、他社より対応スピードが遅いと、選考中の辞退確率が上がります。
    また、求職者の入社モチベーションも、時間が経つにつれて薄くなってしまうので、応募~内定までは、スピード感を意識して進めていきましょう。

     

    スカウトメッセージの送信、面接日程の調整、内定通知などの連絡は、できるだけ早く行うようにしましょう。
    社内で応募者の選考状況の共有や、採用担当者がいないタイミングで電話がかかってきたときの対応方法を決めておくなどをして、求職者の方に手間をかけさせないような工夫をすると、よりスムーズに採用活動が進められます。

     

    また、案内を出す上でも面接スケジュールをWEB上で調整できるようにしたり、案内を受けた後のアクションをできるだけ一本道にしてあげることも大切です。

     

    ❹オウンドメディアを充実させる

    各フェーズごとにオウンドメディアを通じて情報を提供していくことも重要です。エントリーを受け付けるためには、まずは相手に発見してもらわないといけませんので、露出を高めるための戦略を立てて取り組む必要があります。

    エントリー受付後であればエントリー者向けの情報提供や案内ができる特設ページ(採用ブログ等でも良いです。)などを用意してもいいと思います。

    相手を継続的に惹きつけできるように、オウンドメディアの活用の仕方を工夫するなどして辞退率を抑制していくことにも気を使っていきましょう。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。
    今回は、「ITエンジニア採用」についてご紹介させていただきました。
    エンジニア採用は、企業の採用活動のクウォリティと努力度によって、成功確率が変わります。
    上記を参考に、エンジニア採用が上手くいっていない…という企業は、自社の採用活動を根本的に見直しすることをおすすめします。

    ▶️【後編】へつづく

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